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ホーム > 一般のみなさまへ:不妊症Q&A > Q19.女性の加齢は流産にどんな影響を与えるのですか?

一般のみなさまへ

質問年齢が不妊・不育症に与える影響
Q19.女性の加齢は流産にどんな影響を与えるのですか?

回答

 流産の頻度は平均的には15%ですが、加齢とともに増加します(図1)。40歳代前半では50%という報告もあります。

 流産の80%は胎児染色体異常によって起こります。卵子・精子は染色体減数分裂を経て成熟します。精子が生涯作られ続けるのに対し、卵子は発生(減数分裂)の途中で形成が止まっており、そのままの形で何十年もじっとしています。その時間が長いと、染色体の構造が不安定になって、染色体異常が発生しやすくなるといわれています。
 染色体の異常にはその程度が大きいものと小さいものがあり、異常が大きい卵子は着床する前の早い時期に死滅してしまうために妊娠に至りません。異常が小さいと妊娠しますが、着床後発生が止まり、その結果が流産となります。このような理由から、女性の加齢とともに不妊症、流産ともに増加します。
 このように、卵子は存在するだけでなく、染色体異常を起こさない強い力を持っている間だけ赤ちゃんを作ることができます。従って50歳で閉経するまでに卵子数は充分あったとしても、その卵子は妊娠能力をもたないので、月経がある限り妊娠できるわけではありません。卵巣機能は生命維持に直結しない代わりにヒトの臓器の中で最も早く廃絶します。
 なお、欧米では高齢女性に対して体外受精を施行する場合、染色体異常を調べる受精卵診断(着床前診断)が実施されています。これは異常な受精卵を廃棄するだけで、高齢女性の正常卵が増加することはあり得ませんから、出産できるようになる技術ではありません。一見よさそうなために欧米で流行しましたが、高額な割に出産に結びつかないことが理解され、減少し始めたところです。

図1.加齢による流産の頻度
図1.加齢による流産の頻度

 Andersen AMN et al. Maternal age and fetal loss: population based register linkage study. BMJ 320:1708-1712, 2000よりデータを引用し作成

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