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一般社団法人日本生殖医学会

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一般のみなさまへ

質問検査
Q7.不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?
1)女性側 2)男性側

回答

1)女性側

 女性側の検査はほとんどの方が受ける一般的な検査と、一般的な検査で疾患が疑われる場合等に受ける特殊な検査があります。

(1)一般的な検査
①内診・経腟超音波検査
 婦人科診察室の診察台(内診台)の上でおこないます。子宮・卵巣を産婦人科的に診察しておして痛いところがあるかどうかを見るとともに、細い(直径約1.5-2cm)超音波プローブを腟から挿入して子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症などの異常がないかを確認します。

②子宮卵管造影検査
 X線造影室で行います。子宮卵管造影検査は、X線による透視をしながら子宮口から造影剤を注入し、子宮の形や卵管が閉塞していないかを見る検査です。少し痛みのある検査ですが、この検査の後自然に妊娠することもすくなくないこともあり、大変大事な検査です。

③血液検査
 外来の採血室で血液を採取して、ホルモン検査や糖尿病など全身疾患に関係する検査を行います。ホルモン検査の中には、女性ホルモン・男性ホルモンや卵巣を刺激する卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンが含まれますが、その他にも母乳を分泌するプロラクチンや甲状腺ホルモンの検査も行います。ホルモンは月経周期によっても変化しますので、月経期・黄体期などに分けて検査します。

(2)特殊な検査
①腹腔鏡検査・子宮鏡検査
 腹腔鏡検査は臍部からカメラをいれてお腹の中を観察する手術で、全身麻酔をかけ手術室で行います。これにより子宮・卵巣をはじめとする骨盤内臓器の状態が確認でき、子宮内膜症や卵管周囲の癒着などのいままで分からなかった不妊原因がわかることがあります。また、卵巣嚢腫や子宮筋腫などがある場合には切除することが可能で、多嚢胞性卵巣症候群の治療(卵巣多孔術)を行うこともできます。
 子宮鏡検査は卵が着床する場所を直接観察する検査で、麻酔をかけずに行うことが多いため外来で行うこともできます。この検査で、ポリープや筋腫などの腫瘍性病変や内腔の癒着など確認することができます。

②MRI検査
 磁場を用いてCT検査のように体の断面像を撮ることのできる検査で、子宮や卵巣形態の詳細な情報が得られます。そのため、子宮筋腫や子宮内膜症病変の診断に有用で、さらには卵管水腫など他の不妊原因となる疾患も見つけることができます。

2)男性側

 男性側の検査は、精液検査と、泌尿器科的な検査に分けられます。精液検査は、受診されたほとんどの方が受ける一般的な検査です。泌尿器科的な検査は、精液検査で疾患が疑われる場合等に行われます。

 不妊症カップルの50%程度には男性側の原因もあるとされており、ぜひとも泌尿器科で男性の検査を受けることをお勧めします。多くの専門の泌尿器科では、専用の精液採取室を準備するなど、プライバシーに配慮した診療が行われています。

(1)精液検査
 精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを検討します。精液は、2-7日の禁欲期間(射精しない期間)の後に、用手法(マスターベーション)で全量を採取します。病院で取るのが望ましいのですが、20℃から30℃程度に保持することが出来れば、自宅で採取して2時間以内に検査すればほぼ病院で採取した場合と同様の結果が得られることが多いと言われています。
 男性の精液性状は日に日に変動するため、悪い結果が出た場合でも、再度検査をして問題ないとされることもあります。なお基準値は、近年世界標準が変更されました(表1)。

表1.精液検査の正常値
(WHOラボマニュアル-ヒト精液検査と手技-5版より)
検査項目 下限基準値
精液量 1.5ml以上
精子濃度 1500万/ml以上
総精子数 3900万/射精以上
前進運動率 32%以上
総運動率 40%以上
正常精子形態率(厳密な検査法で) 4%以上
白血球数 100万/ml未満

(2)泌尿器科的検査
 精液検査で異常を認めた場合に行います。

①診察
 不妊症に関連する病気の既往の有無、勃起や射精などの現在の性生活の状況を確認するとともに、精巣(こう丸)などの外陰部の診察、精巣サイズの測定、男性不妊症の原因として最も頻度の高い精索静脈瘤の有無などを触診で行います。

②内分泌検査
 血液中の、男性ホルモン(テストステロン)や性腺刺激ホルモン(LH、FSH)、場合によってはプロラクチンなどを調べます。これによって精液異常の原因を検索することができますし、勃起障害や射精障害がある場合にもぜひとも必要です。

③染色体・遺伝子検査
 精子数が極端に少なかったり無精子症の場合には、染色体検査や遺伝子検査をお勧めすることがあります。染色体の軽微な変化や遺伝子異常が、精子形成障害の原因になっていることがあるからです。また、精巣内精子採取術などの治療の可能性を検討するうえでも大切です。

④特殊な検査
 精子の機能を調べる検査、精嚢や射精管の形態を調べるMRI、精巣での精子形成の状態を詳しく調べる精巣生険、勃起能力を調べる検査などが、病状によって行われます。

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