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一般社団法人日本生殖医学会

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ホーム > 一般のみなさまへ:生殖医療Q&A > Q2.不妊症とはどういうものですか?

一般のみなさまへ

質問定義
Q2.不妊症とはどういうものですか?

回答

 「不妊症」とは、なんらかの治療をしないと、それ以降自然に妊娠する可能性がほとんどない状態をいいます。特に病気のない健康な男女が妊娠を希望し、避妊をせず夫婦生活(セックス)を営むと一定期間内に大多数の方が妊娠します。しかし一定期間を過ぎても妊娠しない場合、その後いくらタイミングを取っても自然に妊娠する可能性は低くなるため、不妊症と診断することが出来ます。
 それではどのくらいの期間妊娠しなかったら不妊症と考えられるのか、すなわちこの「一定期間」とはどのくらいなのでしょうか。一般的には「一定期間」は1年とされます。しかし、不妊症と診断できる期間は年齢によって異なっています。一般に、年齢が高い夫婦では妊娠できない期間(これを「不妊期間」とよぶことがあります)が比較的短くても、それ以降自然妊娠する可能性は低くなりますし、年齢が若い夫婦では不妊期間が比較的長くても、その後自然に妊娠する可能性は残っていることが多いのです。米国生殖医学会では2023年に、女性の年齢が35歳未満の場合には1年、35歳以上の場合には6ヶ月の不妊期間が経過したあとは検査を開始することを提唱しています。結婚年齢が高くなった日本でも、年齢が高い場合には妊娠しない期間が1年未満でもより早期に検査と治療を開始したほうがよいという考えが一般化してきています。
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(23)01971-4/fulltext
 一方、女性側に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などがあって月経不順や無排卵期間が長い場合や子宮内膜症や子宮筋腫があって月経が辛いなどの症状がある場合は、不妊症である可能性が高くなります。また、のちにでてくるように女性の年齢が40代後半以降になると妊娠の可能性がきわめて低くなるため、年齢に応じて早期に不妊症の診断や治療を開始しないとますます妊娠しにくくなる場合があります。男性側がうまく射精ができない場合(性機能障害)にも不妊症の診断・治療が必要になります。このように病気や不安な要素がある場合には、一定期間妊娠しないことを条件とせず、早めに産婦人科で不妊について相談して頂きたいと思います。

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