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ホーム > 一般のみなさまへ:生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A) > Q13.顕微授精とはどんな治療ですか?

一般のみなさまへ

質問治療
Q13.顕微授精とはどんな治療ですか?

回答

 顕微授精は体外受精の方法のひとつです。通常の体外受精では、女性の体内から取り出した卵子に男性の精子を振りかけて受精卵を得ますが、この方法では受精が成立しなかったり、精子の数が少ないなどの理由で成立が見込めなかったりした場合の手段として、顕微授精が考案されました。
 すなわち、顕微授精とは、顕微鏡で拡大視しながら、受精の手助けを行う方法をいい、当初はいくつかの手段が提唱されましたが、いまでは主に、ひとつの精子を直接卵子に注入して受精を促す、卵細胞質内精子注入法—英語の頭文字をとってICSI(イクシイ)と呼ばれます—が行われています。
 ICSIでは、形態が正常な運動良好精子をひとつ選別して、細いガラス針の中に取り込み、これを卵子に注入します。つまり、受精の最初のステップである卵子への精子の取り込みを代用する手段です。ただし、精子の注入後、すべてが受精卵として発育を進めるわけではありませんので、顕微受精とは呼ばず、顕微授精と表現されます。
 当初は受精障害などを適応として行われていた顕微授精ですが、最近では通常の体外受精を凌駕する勢いで適用が広がってきています。ただし、ICSIが世界で初めて行われたのは1992年ですので、比較的歴史は浅く、男性のY染色体に起因する妊孕性の低下などが次世代に伝わる可能性など、リスクの有無については今後も検証していく必要があります。

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