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一般社団法人日本生殖医学会

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ホーム > 一般のみなさまへ:生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A) > Q1. 妊娠はどのように成立するのですか?

一般のみなさまへ

質問妊娠の成立
Q1. 妊娠はどのように成立するのですか?

回答

 妊娠が成立するまでのおおよその過程は次のようになります。

  1. ①卵巣から卵子が排卵されます。
  2. ②卵子と精子が卵管内で出会い受精します。
  3. ③受精卵が卵管内で成長しながら子宮に向かって移動します。
  4. ④子宮に到達した受精卵が子宮内膜に着床します。

 これが妊娠までのプロセスで、着床から妊娠がスタートします。それでは、各プロセスについてもう少し詳しく解説しましょう。

排卵

 卵子は、卵巣の卵胞という袋の中で排卵される日を待っています。脳の下垂体という器官から分泌されるホルモンの刺激によりいくつかの卵胞が成熟しはじめますが、その中から選ばれたただ1つの卵胞だけが成熟し、この成熟卵胞から卵子が排出されます。これが排卵です。
 排卵は、月経周期が28日の人の場合おおよそ14日目におこります(図1)。排卵された卵子の寿命は約24時間といわれています。卵子は卵管の先にある卵管采に取り込まれ、少し奥に入った卵管膨大部という場所で精子を待ちます(図2)。

図1
図1 排卵

図2
図2 受精

 受精とは、セックスによって女性の体内に精子が入り、この精子と卵子が融合して一つの細胞(受精卵)になるまでの過程をいいます。
 排卵が近づくと、子宮の入り口(子宮口、頸管)には精子が通り抜けやすいように頸管粘液が満たされるようになります。腟内に射精された精子は、この頸管から子宮内に泳ぎ上がり、卵管を通って卵管膨大部に達します。精子の女性体内での寿命は72時間といわれますので、この寿命期間の間に運良く卵管膨大部にいる卵子と出会って初めて受精が成立します(図2)。

図3
図3 着床

 受精卵は2個、4個、8個と細胞分裂をしながら、卵管の中を子宮に向かって移動してゆきます(図3)。
 この時期までに子宮では、受精卵が着床しやすいようにベッドメーキングをしています。受精後5日ほどすると、受精卵は子宮腔(子宮の中)に到達し、7日目には子宮内膜にもぐり込んで、根を張ってゆきます。これが着床です(図3)。
通常着床を妊娠の開始と定義しています。

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