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一般社団法人日本生殖医学会

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Message from JSRM Organizers

Vol.19

大石  元(おおいし はじめ) 先生

Dr. Hajime Oishi
国立国際医療研究―センター病院 産婦人科診療科長
将来計画検討担当幹事

大石  元(おおいし はじめ) 先生

生殖・内分泌をサブスぺにしたきっかけは
 研修終了後に2年9ヶ月の大学院での研究生活を終えて大学での臨床に戻ると、「IVFをやってみないか」との誘いがありました。IVFチームは小グループではありましたが、新しいことに挑戦したかったため、加入してみました。当時胚培養士が非常勤で1名しかいなかった、ということもあり、採卵時の検卵・精子の処理・受精確認・胚の凍結融解など培養士さんの下働きとしていろいろやりました。土日も出勤で大変でしたが、得難い1~2年でした。日中は採卵・移植・IVF外来をやりつつ培養室での仕事もこなすという面白い体制で、自分の診療の結果が胚のグレード、また妊娠の成否という形で直接フィードバックされる状態でした。この時期を境に生殖内分泌、特に卵巣の生理学にますます興味が湧き、生殖医学を志すようになりました。採卵・胚移植が上手になると、子宮鏡検査または子宮鏡手術の技術も向上します。また経腟超音波下での腹水(ダグラス窩)穿刺、腟断端膿瘍の穿刺洗浄など婦人科腫瘍グループからの依頼も増え、”egg man”と言われて重宝されていました。生殖内分泌を専攻とすると、産婦人科の他分野との関連も多いと同時に専門性も高いので、つぶしが効きます。

生殖・内分泌をサブスぺとした日常は
 外来と手術、採卵と胚移植で毎日が回っていきます。生殖医療は他分野とは異なり外来が主戦場になるため、大学病院/総合病院などでは存在感が薄くなりがちですが、朝から夕方までびっちり仕事をし、on-offがはっきりした生活といえます。また、大学などでは検体が取りやすい環境でもあり、臨床と研究をつなぐアイデアは豊富にでやすい領域です。

生殖・内分泌をサブスぺに考えているみなさんへのメッセージ
 産婦人科は、生命の始まりを扱う大変神秘的な学問です。特に生殖内分泌では、さまざまな器官がホルモンによってオーケストラのように制御されていることを学ぶことができます。プロトコール化していることも多いですが、患者毎の個別性を考慮に入れ、近年の科学技術の進歩も導入しつつ、日々診療の質を高めることができます。カップルの子供を持ちたい希望に直接応えることができる唯一の分野であり、需要の高い診療科といえます。また生殖外科として妊孕性を考えた手術に携わることができ、周産期に安全にバトンを引き継ぐ責任重大な立場といえます。ぜひ生殖内分泌をサブスペとして選択してみてください。その奥深さの虜になり興味が尽きないと思います。

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