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一般社団法人日本生殖医学会

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理事長ご挨拶

理事長 市川 智彦

理事長新任のご挨拶

2018年6月23日

 2018年6月22日開催の社員総会・新理事会において、苛原 稔前理事長の後任として本会理事長を拝命いたしました市川智彦でございます。諸先生方が築き上げてこられた伝統ある本会を向こう2年間にわたりお預かりすることは、身に余る光栄とともに、私に与えられた責務を全うすべく身を引き締めております。重責ではありますが、会員の先生方のご支援を頂戴しながら、ご期待に添えるよう全力で任務にあたらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 2015年には新生児の20人に1人が生殖補助医療により生まれています。私自身が生殖補助医療でこどもを授かったことから、この領域に少しでもご恩返しができればと活動して参りました。しかし、生殖補助医療の普及とは裏腹に、生殖医学・医療には解決すべき多くの課題があると思います。生殖世代の減少や少子化などから、将来的には現在の生殖医療体制が縮小していく可能性があります。また、学祭的な学問領域である生殖医学を担う若手研究者・医師が減少していることも懸念されます。苛原 稔前理事長は、人材養成と生殖医学研究の発展のために、6項目の課題に取り組み本会を運営されてきました。その6項目を私なりにまとめてみますと、①法人の健全運営、②専門医制度の改革、③英文機関誌の充実、④生殖補助医療と法の整備、⑤国際的な地位確立、⑦広報活動と社会貢献、のようになります。いずれも、本会が取り組むべき重要な課題であり、理事長として引き続き推進していきたいと考えております。
 会員数の増加や、専門医制度、英文機関誌の刊行など、本会の事業も多様化してきたこともあり、2017年に事務局業務委託先を変更いたしました。引き継ぎ作業を円滑に進めるため、一時期新旧2箇所と委託契約を結び、一連の移転作業を滞りなく完了することができました。新委託先において事務局業務が効率よくかつ財政的にも安定して遂行されるよう、執行部の先生方と力を合わせて学会運営に取り組んでいきたいと思います。私自身、本会の専門医制度を管轄する生殖医療従事者資格制度委員会委員長を6年間務めて参りました。また、基本領域である泌尿器科専門医においても委員長を2年間務め、日本専門医機構による新専門医制度への移行作業も担当いたしました。生殖医療専門医は産婦人科専門医、泌尿器科専門医を基本領域とするサブスペシャルティ領域の専門医として位置づけられています。基本領域では、2018年4月から日本専門医機構による専門研修プログラムが開始されました。サブスペシャルティ領域も日本専門医機構へ順次移行が進む予定となっています。本会の専門医制度がさらに充実したものなるようになるよう、経験を生かして改定作業に取り組んでいきたいと思います。
 会員の皆様もご存じのように、本会英文機関誌であるReproductive Medicine and BiologyがPubMedから検索できるようになりました。国際誌として広く引用される基盤が整いましたので、インパクトファクター取得に向けてこの流れを加速していきたいと思います。生殖医療と生命倫理は表裏一体の関係であると思います。カップルの希望に対応しつつも、多種多様な価値観に耳を傾け、倫理的に許容可能な医療を施していく必要があると思います。基盤となる日本産科婦人科学会の見解を踏襲しながら、懸案事項にも一つ一つ向き合っていきたいと思います。国内だけでなく国外にも目を向ける必要があると思います。異なった制度や価値観が、いろいろな形で国内にもたらされています。生殖補助医療も今後少しずつ変わっていくと思いますが、責任ある法人として、適切に対応していきたいと思います。妊娠・出産・育児は夫婦の共同作業です。男性不妊症を専門とする泌尿器科医師が少ないことも大きな要因であると思いますが、男性パートナーへの啓発活動も今後の課題であると思います。ウェブサイトの充実や市民公開講座を通じて、より多くのカップルに情報を提供していきたいと思います。
 世界初のIVF成功例であるLouise Joy Brownが1978年7月25日に誕生してから40年が経過し、一つの節目を迎えようとしています。IVFで誕生した男児の妊孕性など、次世代の妊孕性についてもクローズアップされていくものと思います。ゲノム医療の実装化、高額な分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の保険適用、ロボット支援手術の大幅な適応拡大など、医療を取り巻く環境も急速に変わりつつあります。がんゲノム医療中核拠点病院として11施設が指定され、2018年度はゲノム医療においても大きな節目を迎えていると思います。遺伝子パネル検査で生殖細胞系列の変異が偶然検出される可能性、いわゆる二次的所見への対応も求められます。遺伝カウンセリングはもとより、生殖医療にもその影響が波及してくる可能性があります。生殖医学の専門家集団として、境界領域のみならずより広い視野をもって、責任ある活動を通じて社会に貢献していくことができればと考えております。
 これらの推進には会員の皆様のお力添えが不可欠です。今後とも、厚いご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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