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一般社団法人日本生殖医学会

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理事長ご挨拶

理事長 苛原  稔

理事長再任のご挨拶

平成28年6月

 平成28年6月開催の社員総会・新理事会において理事長職に再任され、引き続き向こう2年間にわたり本会をお預かりすることになりました。改めて身に余る光栄と感謝し、重責ではありますがご期待に添えるように全力を尽くして参ります。
 これまでの2年間を振り返りますと、少子晩産化時代の社会的要請から生殖医療に対する期待が日々膨らんでくるのを感じるとともに、予想を超える医療技術の広がりとそのスピードの速さ、医療のボーダレス化など、生殖医学・医療の展開が名実ともに日進月歩であると驚愕しています。我が国のART実施件数は2015年には40万件を超えたと推定され、着床前遺伝子検査の臨床応用が現実味を増し、将来はゲノム編集の導入なども視野に入って来る時代になりました。
 しかし一方で、現在置かれている生殖医学・医療の環境はけっして順風ではないと感じています。少子化の進行は生殖世代の患者の減少につながり、将来的には現在の生殖医療体制が縮小していく可能性があります。また、かつては内分泌学を基盤とした学際的な学術であった生殖医学を担う若き指導者が減少していることも懸念されます。さらに、生命倫理や商業主義に関連する問題を含めた医療環境の混沌化も危惧されます。
 理事長としての私の基本的な考え方は、第一期の就任挨拶でも述べましたように、日本の生殖医学・医療を担う人材養成と生殖医学研究の発展を促すことであり、その達成のために6項目の具体的な課題を設定して運営に臨んで参りました。しかし、多くの課題はまだ道半ばと思います。その反省に立ち、これからも執行部の先生方と力を合わせて取り組んで行きたいと思います。
 まず、法人の健全運営には財政基盤の確立が重要と考え、事務局業務が多様化した中で会員サービスの充実を図るために、心苦しい選択ですが、1974年から42年間値上げしていなかった会費の値上げをお願いしました。これを契機に、業務全体の効率化を進め、将来にわたる健全な財政運営を続けて行く所存です。
 次に、生殖医学の研究を担う人材養成の面では、専門医制度の改革に連携していることではありますが、専門医養成施設や専攻医の質、認定基準などの要求水準を高く設定して、研究と医療をバランスよく考えながら準備したいと思います。加えて、研究成果の公表の場である英文機関誌のパワーアップは危急の課題と考えています。
 医療面では、諸般の事情で遅れている第三者が関与する生殖補助医療の法制化が近々進むと思われます。これを日本に根付かせ有意義なものにするために、学会を挙げて取り組みたいと思います。それに並行して、ARTを含めた生殖医療供給体制の見直しを図りたいと思います。
 国際面では、2015年4月に国際不妊学会のInternational Meeting of IFFS 2015 in Yokohamaをパシフィコ横浜で開催させていただき、会員各位のご支援で成功裏に終わらせることができました。改めて御礼申し上げます。日本がアジアのリーディングカントリーとして責任を果たすために、他学会との連携をさらに密にしてより大きな結集を図り、生殖医学における日本の存在を確固たるものにしたいと思います。
 また、これからの学会にとって社会貢献も重要な課題です。広報活動や市民公開講座などの充実を通して、生殖医療の現実を知らせ、一般社会がより適切な医療の在り方を理解できるよう、情報発信を積極的に行いたいと思います。
 このように未解決な課題は山積していますが、再任していただいた以上、理事長としてのミッションを果たすため、今までの経験を生かしてこれから2年間、その再整備を進めて行きたいと思います。
 昨年、日本生殖医学会は設立60周年の大きな節目を迎えました。この間、先人の努力で日本の生殖医学・医療の基幹学会となっています。加えて、生殖補助医療が日本で初めて成功してからも30年を超え、世界に冠たる生殖医療先進国になっています。しかし、日本の生殖医学・医療は大きなターニングポイントを迎えています。過去の成果に甘んじることなく、「改革なくして存続なし」との観点に立って、次の30年間も本会が日本の生殖医学・医療の中核機関として国民の期待に応え続けられるよう、改革を続けて参りたいと思います。
 会員の皆様には引き続きまして、厚いご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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