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一般社団法人日本生殖医学会

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ガイドライン

2007年3月16日

倫理委員会報告
「多胎妊娠防止のための移植胚数ガイドライン」

 日本生殖医学会は、近年の生殖補助医療の進歩とわが国における多胎妊娠数の著しい増加に鑑み、倫理委員会において多胎妊娠防止のための移植胚数に関するガイドラインを検討してきました。わが国および諸外国における治療成績などを検討した結果、このたび以下の様な結論に達しましたので、報告いたします。

  1. 体外受精などの胚移植においては、日本産科婦人科学会の見解どおり、移植胚数を3個以内とすることを厳守する。
  2. 多胎妊娠のリスクが高い35歳未満の初回治療周期では、移植胚数を原則として1個に制限する。なお、良好胚盤胞を移植する場合は、必ず1胚移植とする。
  3. 前項に含まれない40歳未満の治療周期では、移植胚数を原則として2個以下とする。なお良好胚盤胞を移植する場合は、必ず2個以下とする。
  4. 移植胚数の制限に伴い、治療を受けるカップルに対しては、移植しない胚を凍結する選択肢について、各クリニックにおいて必ず提示することを求める。

注)移植胚数の妊娠率に及ぼす影響は、既に数多くの報告があるが、当委員会では、当ガイドライン作成にあたり、下記の代表的な報告を参照した。

  • Papanikolaou EG, Camus M, Kolibianakis EM, Van Landuyt L, Van Steirteghem A, Devroey P. In vitro fertilization with single blastocyst-stage versus single cleavage-stage embryos. N Engl J Med. 2006 Mar 16;354(11):1139-46.
  • Pandian Z, Templeton A, Serour G, Bhattacharya S. Number of embryos for transfer after IVF and ICSI: a Cochrane review. Hum Reprod. 2005 Oct;20(10):2681-7.
  • Pinborg A. IVF/ICSI twin pregnancies: risks and prevention. Hum Reprod Update. 2005 Nov-Dec;11(6):575-93.
  • Kissin DM, Schieve LA, Reynolds MA. Multiple-birth risk associated with IVF and extended embryo culture: USA, 2001. Hum Reprod. 2005 Aug;20(8):2215-23.
  • Bergh C. Single embryo transfer: a mini-review. Hum Reprod. 2005 Feb;20(2):323-7.
  • Thurin A, Hausken J, Hillensjo T, Jablonowska B, Pinborg A, Strandell A, Bergh C. Elective single-embryo transfer versus double-embryo transfer in in vitro fertilization. N Engl J Med. 2004 Dec 2;351(23):2392-402.
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