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一般社団法人日本生殖医学会

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ガイドライン

2000年3月27日

染色体の数異常や構造異常による男性不妊の精子の臨床応用について

 染色体の数異常や構造異常に起因する高度乏精子症あるいは無精子症の男性不妊では、通常の方法での妊娠成立は困難である。最近になって、顕微授精(ICSI)などの生殖補助医療技術(ART)を応用することによって、極めてわずかしか存在しない射出精液中あるいは精巣上体または精巣より採取した精子による受精・妊娠の報告がみられるようになった。
 しかし、これらの精子を用いた不妊症への臨床応用は新たな医学的、倫理的問題を惹起する可能性がある。したがって、その臨床応用にあたっては、次のような事柄に充分に留意し、慎重であることが望ましい。

  1. 染色体の数異常や構造異常と不妊との関連について充分に説明する。
  2. このような精子によって成立した妊娠では、児に同様の染色体の数異常や構造異常の形質を伝える可能性があることを充分に説明する。
  3. 遺伝カウンセラーを交えた説明や情報提供が望ましい。
  4. 文章によるインフォームド・コンセントを夫婦から得ておく。

平成12年3月27日
社団法人日本不妊学会
理事長 森  崇英

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